
資本コスト(有利子負債コスト+株主資本コスト)
資本コストとは、企業が調達した資金(資本)に対して、支払うコストのことです。
具体的には
有利子負債コスト(Cost of Debt)
株主資本コスト(Cost of Equity)
の2種類あります。
そしてこの両方からの調達コストを加重平均したものがWACC(加重平均資本コスト)です。

注意いただきたいのは、お金は貸す側と借りる側の両方の目線がある点です。コストと表現した通り、これはお金を借りた側の表現です。
貸す側からすると、それは利益であり、お金を出したのだからこれくらいは稼いでほしい、という期待があります。期待収益率といった表現がされるため、それがゆえにWACC≒(最低限の)期待収益率で考えられることになります。
1.有利子負債コストについて
B/Sの右上、利子有りで借りている負債に発生するコストのことです。企業ごとにベース金利+スプレッドがのせられて契約し、スプレッドは貸す側のマージンと企業の信用リスクが入っています。
有利子負債コスト=ベース金利+スプレッド
ベース金利:基準金利です。日銀が金利上げるか、FRBが金利下げるか、といったニュースが良く出てきますが、これらがベース金利に影響するので、企業にとって大きな意味があるわけです。
スプレッド=企業の信用リスク+貸す側の利益(マージン)
信用リスク:業種や会社規模等で企業の信用度が変わるため、スプレッドは企業ごとに異なります。その為、いくらで借りたかは基本、他社情報はわかりません。
貸す側の利益(マージン):お金を貸す側も慈善活動ではありませんので、利益が必要です。
このスプレッドは各社各様のため把握はできません。ただ、多くの上場企業は有利子負債の状況を有価証券報告書で報告しており、借入残高と合わせて、平均の金利情報を報告しています。
よって同業他社や同格付け企業等知りたい企業名と有価証券報告書と検索することで、情報を集めることが可能です。もしくは損益計算書の支払利息を有利子負債残高で割ることで、簡易で出すことも可能です。
そして有利子負債コストは税務上の損金扱いになる点が特徴です。実質的なコストは節税効果を反映して考えることが可能になります。
税引後負債コスト=税引前負債コスト×(1ー税率)
これに関しては別途記事をまとめています。
2.株主資本コストについて
B/Sの右下、株主から借りている資本に発生するコストのことです。これを求めることはとても難しいです。
そもそも契約に基づき金利を払うというわけでもなく、株価をいくらにするコミットもなければ、配当も業績次第です。つまり絶対の正解がないわけですが、お金を貸す側からは「8%」の収益率を目指してほしい、最低「6%」は欲しいと要求してきますが、その根拠は何なのか?
それを定量的に出すために
CAPM(Capital Asset Pricing Model):資本資産価格モデル
マルチファクターモデル:ファーマ・フレンチの3ファクターモデル
DDM(Dividend Discount Model):配当割引モデル
等、様々なモデル(アプローチ)が編み出されました。そこで一番有名なのがCAPMになります。
CAPMに関しては別途記事をまとめますので、そちらをご参照ください。
3.WACCについて
WACCに関しても別途記事をまとめますので、そちらをご参照ください。



