これが世界標準?グローバル管理会計原則とは?
管理会計の原則を調べていたら米国管理会計人協会(IMA)のまとめる管理会計の原則なるものを発見しましたが、さらに調べてみるとグローバル管理会計原則なるものを発見しました。
1つのことも多面的に見ることで見えてくることがあるので、グローバル管理会計原則についてもぜひ意識してみて下さい。
なお、米国の管理会計原則のまとめ記事は以下の通りです。
さて、グローバル管理会計原則はアメリカの米国公認会計士協会(AICPA)とイギリスの勅許管理会計士協会(CIMA)が2012年に設立したCGMAという組織がまとめました。情報は以下のPDFからになります。
CGMA曰く、管理会計には4つの原則があると定義しています。
1.影響(Influence)
2.関連性(Relevance)
3.分析(Analysis)
4.信頼(Trust)
…ん?どういうことでしょう?それぞれについて細かく詳細があったのですが、それを読んでも少々わかりにくかったので、自分なりに解釈した内容も含めて以下にまとめます。
1.影響(Influence)とは
管理会計とは会話で始まり、会話で終わるといっても過言ではない。会話によって物事の本質を見抜き、それを相手に伝えて様々な影響を与えることが大切だ、という原則のようです。
要はコミュニケーション能力、とはいえコミュ力では定義が大きすぎるので、相手にちゃんと伝えられてなんぼの管理会計、ということですね。確かに専門的な会計用語で説明し、相手を置いてけぼりにした会話はよくなく、ちゃんと伝えることが大切なのはもちろんですね。
2.関連性(Relevance)とは
過去・現在・未来、財務・非財務、社会的・環境的・経済的情報など多様な情報がある中で、管理会計ではそれら情報を関連付けて、意思決定者が正しい判断をできるようにすることが大切だ、という原則のようです。
IMA協会が考える管理会計の原則でも因果関係の原則とありましたが、これに近そうですね。結果とその原因を正しく分析し把握することは、意思決定するときの根拠となって役に立つのは言うまでもありません。
3.分析(Analysis)とは
経営方針 を元に事業モデルを組み立てることが大切だ、また事業で様々なシナリオを用意し、ケーススタディをすることも大切だ、という原則のようですが…これって分析?
1年後や数年後の将来に対し、目標数値を作り上げ説明するのは確かに管理会計の仕事の1つなので、未来を示すために正しく分析することが大切という意味で理解しました。そのための分析は未来だけではなく過去や現在の実績分析も含まれるとも考えます。
4.信頼(Trust)とは
スチュワードシップが大切。説明責任を果たし、正しく数字を作り、意思決定者と二人三脚していくには信頼が何より大切だよね、という原則のようです。
管理会計では良いことばかりを話すわけではなく、言いにくいこと、悪いことも明らかにして話さなければいけません。その時に、信頼があればしっかり聞いてもらいやすくなるのはもっともです。
まとめ
正直なところ、よくわからない原則です。かみ砕くのが少し難しかったのですが、
正しい情報を集めて因果関係(関連性)を把握し分析する。その結果を経営者に伝え、より良い意思決定をしてもらう。そのためには相手に伝わる(影響)表現も必要だし、仕事を通して相手から信頼を得ることも大切だ。
というのが私なりの解釈です。管理会計の原則もグロー バル管理会計原則もどちらも同じようなことを表現していると思いますが、グローバルの方は相手(意思決定者)をすごく意識している点を追加しているというところでしょうか?
せっかく学んだグローバル管理会計原則ですが、資料によると、その原則を元にどのように行動すればよいかについても記載されていたので次の記事でまとめます。