資格1
公開日: 2021.04.03  | 更新日: 2021.11.18

米国公認管理会計士(USCMA)とは?管理会計の国際資格!

USCMA(US Certified Management Accountant)とは米国公認管理会計士と日本語では訳され、IMA(Institute of Management Accountants)という管理会計士協会による国際資格です。知名度の高い米国公認会計士・USCPA(US Certified Public Accountant)と並ぶ二大会計資格です。各種ルールに従う制度会計に特化しているUSCPAに対し、USCMAは社内の意思決定を支える管理会計の分野の専門資格です。

これを知ったとき驚きました。管理会計は経理財務に注力しつつもゼネラリストという立ち位置なため、職務要件が不明確であることが多く、管理会計のちゃんとした資格があるとは思っていませんでした。それでも管理会計に携わる者が何か勉強しようとすると、MBAや中小企業診断士が挙げられるのですがこれらは経営が主となるため管理会計とはちょっと違う…という気持ちになっていました。それに対しUSCMAは明らかに管理会計のための資格です!

なお、日本では証券アナリストがCMA(Certified Member Analyst)として有名です(日本では日本証券アナリスト協会がCMAの登録商標しているため)。よって日本資格業界ではこの米国公認管理会計士はUSを付けてUSCMAにしているようです。

さて元に戻って、USCMAは管理会計の資格です。監査業務を独占する公認会計士などとは違い、資格保有をしても何かの独占業務を手に入れられるわけではありません。ですが明らかに管理会計の人には自分の価値を証明できるお勧めの資格です。

なぜなら日本で管理会計士の資格はほぼありません。正確には管理会計検定、認定管理会計士など存在はするのですが正直あるだけの資格という評価で資格保有者の価値を高めるものではありません。日商簿記検定で十分です。ですが簿記も管理会計に必要な会計知識を学べますが、管理会計の資格ではありません。それゆえに管理会計って仕事を続けても、会計士や税理士じゃないし専門性がつかないよね…と思うことがあるかと思うのですが、米国ではそんなことなかったです。ちゃんと資格として存在していました。

21年時点でUSCMA資格保有者は5.5万人います。(追記:21年9月にIMAがCMA認定10万人達成を発表。)更に受験者は7万人近くいてIMA会員数だけでは12万人を超えるようです。比較に出されるUSCPAは米国だけで65万人、日本では3万人近くいるので、それと比べると人数はまだまだ少ないものの、それでも10万人を超える人が関係している資格で、増加率は前年比3割近く増えているとのことで、まさにこれから大きくなっていく資格です。

また形だけの資格じゃないのか?と気になったので米国での就職活動サイトを調べてみました。経理職を中心に求職者への要求事項を調べましたが大卒であること、経験があると好ましい等の条件と同じく、CPAかCMAの資格が要件としてありました。CPAだけの記載だったり、CPA or CMAだったり、各種資格が必須だったりあると望ましいとの表現だったり条件は会社次第ではありましたが、それは日本も一緒です。少なくとも形だけの資格というわけではなく、ちゃんと米国では必要とされている資格で、CPAとCMAが双璧という扱いに感じました。詳しくは以下のまとめています。

米国公認管理会計士(USCMA)求人を大手転職サイトMonsterで調べてみた。

日本で知名度がある米国公認会計士(USCPA)と比較される米国公認管理会計士(USCMA)。日本ではまだマイナー資格ですが調べているとUSCMAを持っていてもアメリカで就職に役立たないという記事を見つけ、ちゃんとアメリカでは認知されている資格だよ!と言いたくて記事をまとめました。 ... 続きを読む

就活2

<試験概要>

USCMAになるにはPart1とPart2と呼ばれる2科目を合格する必要があります。方式はコンピューター試験で日本では東京と大阪のプロメトリックテストセンター会場で受験が可能となります。受験可能期間は「1-2月」「5-6月」「9-10月」の期間に各科目を1回だけ受けることができます。各自で試験日を予約しますが、日本では祝日を除いて毎日実施しています。しかし正確な受験可能日は各会場や時期次第なので予約は早めの確定が好ましいです。試験時間はどちらのPartも4時間です。3時間が四肢択一問題で、残りの1時間が記述問題です。また試験は全て英語です。中国語もあるらしいですが、私は中国語はわからないのであまり解説できません…。あと受験資格として4年制大学卒業の学位が必要ですが、学部は問われません。また登録時・受験時に満たしている必要はなく、合格後7年以内の学位取得でも問題ありません。試験結果は受験した月の月末締め、6週間後通知です。そして気になる合格率ですが、Part1で40%、Part2 で50%になります。そこまで低い合格率ではないことから、勉強すれば取得できる資格と言えますね。なお、昔は地域別の合格率を提供していたらしいのですが、地域差別?になるのか、今では世界平均の合格率しか開示していないようです。

出題範囲は以下の通りです。どちらのPartも配点は同じで満点は500ポイント、360ポイント以上で合格です。ただし、1問が1ポイントではなく、難易度を考慮してポイントは補正されます。点数としては7割ですが、基礎的な問題をしっかりと得点できると合格しやすいようです。

Part1:財務計画、業績管理、分析

財務諸表報告の決定(15%)、予算の計画(20%)、業績管理(20%)、原価管理(15%)、内部統制(15%)、テクノロジーと分析(15%)

Part2:戦略的財務管理

財務諸表分析(20%)、企業財務(20%)、意思決定分析(25%)、リスクマネジメント(10%)、投資意思決定(10%)、倫理(15%)

この範囲の中で、どちらのPartも100題の四肢択一問題と、2題の記述問題があります。最初の四肢択一が早く終えて次にも進んで記述問題の時間を増やすことも可能です。ただし1題あたり1.5分のペースで100題解いてやっと2.5時間です。残りの0.5時間を記述に回せるメリットは確かにありますが、四肢択一問題もちゃんと解く必要があり無理に急ぐ必要はないと思います。2題の記述問題は毎回出る分野が定まっていません。1題毎に詳細な情報と数問(5、6問ほど)の小題があり、それを2題分記述する形です。

<試験スケジュール&費用>

試験を受けるためのステップは少し特殊なので以下にまとめます。

1.USCMA資格の団体であるIMAに登録する。(Membership登録

  • 245USD(230USD+15USD(one time processing fee))を支払う必要がある。ただしクーポンが結構あるのでその時あるものを確認すればお得に登録できるので調べてみましょう。例えば公式でも50%オフになる期間限定クーポンもありました。

  • 22年3月1日以降、275USD(260USD+15USD)に値上がりします。

  • 毎年更新が必要な点は注意。

2.IMAに受験申請をする。(Entrance Fee支払い

  • 250USDを支払う必要がある。

  • 22年3月1日以降、280USDに値上がりします。

  • 3年間有効だが、この申込登録日から3年以内に試験2科目を合格する必要がある。

3.IMAに受験料を支払う。(PartごとのExam Fee支払い

  • 1科目に415USDを支払う必要があり、2科目なら830USDを支払う。

  • 22年3月1日以降、1科目あたり460USDに値上がりします。

4.試験日の予約と受験

  • プロメトリックのHPにて試験日を予約。東京はお茶の水、大阪は中津に試験会場がある。

  • 試験当日までに有効の本人確認書類の提示が必要。以下の中から2種類の証明書が必要。

パスポート・運転免許証・Military ID Card(US)・社員証・クレジットカード・在留カード・特別永住者証明書

A:署名付きの証明書で「IMAからのレター氏名と同じスペル」が記載されているおりかつ顔写真があるもの

B:署名付きの証明書で「IMAからのレター氏名と同じスペル」が記載されているもの この条件から日本人の場合パスポートは必須になります。運転免許証は顔写真あるけれどスペルはないし、社員所に顔&スペル付&署名付のものはなかなかないでしょうし、クレジットカードに顔写真はないですし…。この背景からパスポート必須で、そこにある日本語の氏名から運転免許証等で代替できるようになっているようです。

5.合格発表

  • 試験を受けた月の月末から6週間後に結果が発表される。

6.会員登録

  • 四年制大学卒業の証明

  • 2年以上の経理財務経験(合格日前後の7年間の間)

  • Part1とPart2の試験合格

この条件を満たすとUSCMAに登録可能です。登録にはお金はかかりません。(すでに沢山払っていますから。)ストレートで割引もなければ総費用は1,325USDになります。(22年3月以降は+150USDとなり1,475USDとなります。)

7.会員の維持

  • 年1回のIMAへのMembershipの登録+CMAの年会費で260USD。

  • 22年3月1日以降、維持費は290USDに値上がりします。

  • 継続教育の証明として年間で30CPEの獲得

継続教育はCPAでもありますが、特定のオンライン教育を受講し単位を獲得しないといけません。Becker CPEオンラインコースの場合、初回ログインから1年間の権利で約3万円です。よって維持費は260USD+3万円の約6万円あります。

継続教育には少し条件があり、合格初年の継続教育は免除される仕組みです。よって翌年の1月~12月の間に30CPEを取得したらよいことになります。うち倫理(Ethics)を2単位以上は必須です。タイミングをずらし、合格翌年の後半にオンラインコースを受講し30CPEを獲得、翌年になったら再度30CPEを取得して解約すれば、1回分の権利で2年分の受験が可能になりますね。ざっくり1時間で1CPE取得できる設定となっています。

<勉強方法>

私自身試行錯誤中ですが最初の一歩はTACが一番良いと思います。以下にまとめていますので、宜しければご参考ください。

米国公認管理会計士(USCMA)の勉強にはTACがおすすめ!

USCPAに比べるとかなりマイナー扱いのUSCMA(米国公認管理会計士)。いざ勉強をしようとしても、勉強の仕方も見つけるのが難しかったので、日本人が受験する場合のおすすめ勉強方法をまとめました。 ... 続きを読む

勉強1

長々と書きましたがこれが米国公認管理会計士、USCMAの資格の概要です。ぜひご検討ください。私も受験予定で、今後得た知識やノウハウを更新していきたいと思っています。

ご一読、ありがとうございました!

最新の記事はこちら
広告
この記事を書いた人
とら

あんも

大企業(製造業)の経理・財務で10年以上。工場・本社・海外と各拠点での業務経験で気づいたこと等をブログにしていきます。
経理・財務に興味がある人や同じ業種で働いている人のキャリアが少しでも豊かになる情報を、ブログを通して提供していきたいと思います。
趣味:
旅行。投資。
資格:
  • 証券アナリスト
  • TOEIC 800点台
  • 簿記2級
広告