米国公認管理会計士(USCMA)電卓の選び方
米国公認会計士(USCMA)の試験で利用できる電卓には厳密な指定があり、持ち込み制限があります。試験用のおすすめ電卓を結論から申し上げると「Texas Instruments’ BA II Plus」です。なぜその結論になったかを以下にまとめます。
管理会計士協会(IMA:Institute of Management Accountants)の試験である米国公認会計士(USCMA)ではHandbookと呼ばれる試験の基準があり、その中に「Calculator Policy」と呼ばれる電卓の利用ポリシーがあります。そこで以下の6つの選択肢が与えられますが…
「+、―、×、÷、√、%」6機能限定の電卓
HP(Hewlett Packard)10BⅡ(ただし絶版品)
HP 10bⅡ+
HP 12c
HP 12c Platinum
TI(TexasInstruments) BAⅡ Plus
まず絶版品でもう手に入れられないHP 10BⅡは除外です。昔持っていた人用のためのルールですね。次に6機能限定の電卓なんて日本ではなかなか見つけられません。カシオやシャープなど有名どころの電卓はどんなに小さくてもメモリー機能とか何かがついてきます。唯一見つけたのが100円均一でコンパクトタイプの電卓が要件を満たしましたが、ボタンも押しにくく、中身 も貧相で試験に耐えうる気がしません。他の電卓だったらメモリーもあるし、そもそも金融電卓なのでNPVやIRR、金利や償却など活用すれば試験にも利用できるのに、この電卓ではできない。候補外になります。
更にHP 12cの2機種は計算方法が逆ポーランド記法(RPN: Reverse Polish Notation)という特殊な計算式なので多くの人にとっては候補外になります。RPN記法とは「5×(4+3)」の計算をするときに「5 Enter 4 Enter 3 + ×」と記入しないといけません。プログラムの世界では括弧()の利用が不要となり、左から右へ演算できる省エネということで相性が良いという背景があります。世界でもこの方式の電卓を作っているのはHPくらいです。プログラム等新たな使い方を学びたい人にはお勧めかもしれませんが、使いなれている方式(中置記法)の電卓が多くの人にとって好ましいのは明らかです。
さてそうなると残る電卓はHP 10bII+とTI BA ⅡPlusです。これらは一般的な中置記法の金融電卓です。この2台の能力は正直同じくらいですが明らかに違う点があります。それが括弧()の使い方です。
上でも述べた通りHPはRPN記法という世界の中でも独自で特殊な記法を好んでいます。そのせいで括弧()の扱いが残念です。写真を見ていただくとわかる通り、HP 10bⅡでは括弧が標準キーではないためファンクションキーにあたる赤ボタンを押してからでないと転記できません。電卓一つでも奥が深いですね…。HPのPCや複合機は好きですが、電卓はまた独特ということで。 ということで最後に残ったTIのBAⅡ Plusがお勧めです!これならば他電卓と同様の入力方法ですし、括弧()も普 通に使えます!あと人によってはCPAやCFA等の別資格を取得している人もいるのではないでしょうか?今時点ではHP 10bⅡは認められていませんが、BAⅡ Plusは認定されている、というメリットもあります。
これらの電卓日本ではヤフーや楽天のような大手のショッピングサイトで購入が可能です。
念のための補足ですが、BAⅡ PlusにはBAⅡ Plus Professionalの上位機種が存在しますが、ProfessionalはCMA試験では利用できないので注意してください。12cを種類ごとで記載しているのにBAⅡ Plusが1つしかないのはそういうことです。
最後に私見ですが、電卓で利用する電力はわずかであるために、だからこそ太陽電池のソーラーの電力供給がとても有効だと感じています。そういう意味でCASIOやSHARP等多くの日本製電卓にはソーラーパネルがほとんどついていますが、米国製にはまだまだそういうものは少なく、昨今の環境問題においてもぜひこういう取り組みを入れたらよいのにと思う次第です。
ご一読ありがとうございました!