減損とは?経理財務担当者以外に向けて簡単解説!
ニュースで時々聞く減損、なんだか悪いような言葉に聞こえるけれど、会社にどういう影響がありますか?という相談を他部署から頂きました。
その方もネットで調べており、言葉の意味は何となく分かっています。ですが、もっと調べると会計士や専門家のより精緻な情報になってしまい、よく分からなくなってしまう…とのことでした。また、結局財務諸表(財務三表)にどう影響するのかが分からないとも。
経理財務の専門家ではない会社員が知りたいのは、減損という事象に対し、どう解釈したらよいかというポイントだと思います。前提知識であったり、一部専門的な情報を含みますが、そんな経理財務外の皆さんがわかりやすくなるように記事をまとめてみました。
どうしても途中、経理財務寄りになりますが、最後までお付き合い、よろしくお願いします。
減損とは
減損の範囲
減損の種類
減損の手順(3ステップ)
減損の財務三表への影響
減損の税務上の影響
1.減損とは
まず減損とは、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった時に、対象資産の帳簿価額を臨時的に減額することを減損と言います。
イメージは以下のような流れです。
・例えば100億円を支払って固定資産を購入
・毎年10億円を定額償却してて、残り簿価は30億円になった
・けれどもう30億円を回収できる見込みがない
・簿価の30億円を減額することになった=30億円の減損
2. 減損の範囲
次に範囲について説明します。イメージで100億円で取得し簿価30億円、と言いましたが、会社や事業によって様々な固定資産があるかと思います。その固定資産1つ1つで減損をするわけではなく、キャッシュを生み出す最小単位で資産をグルーピングします。
言葉では最小単位と簡単に言いますが、このグルーピングを会社や事業目線で見ると、とても難しいです。
1つの調理場でも昼はカフェで夜はバーといったように、同じ設備を異なる用途で利用することは往々にしてあります。古い日本企業では、1つの設備からできる商品に改良を加え、どんどんと新しいものを作っている場合も多く、一連として儲かっているけれど、その資産のグルーピングをどこで区切るかが会計的に曖昧になってしまう可能性があるからです。
この点に関しては各社の実態と、各社の会計士の方がどう考えるか次第ですが、このグルーピングを分けた結果、減損をすることに、という可能性がありますのでそういったグルーピングの対象の方は少し気をつけなきゃ、とご記憶ください。
3.減損の種類
減損となりうる資産は3つあります。
・有形固定資産
・無形固定資産
・投資その他の資産
有形固定資産は、建物や機械等いわゆる設備になります。無形固定資産はソフトウェアや特許権、のれん等になります。投資その他の資産は、投資有価証券等ですが、事業部単位で持ってることは少ないと思います。
4.減損の手順(3ステップ)
少し会計寄りになりますが、日本の会計基準では3ステップ呼ばれる手順があり、
STEP1:兆候:減損が生じている兆候・可能性を占める事象が発生しているか?
STEP2:認識:その存在は相当であり確実に発生するか、十分に認識されるか?
STEP3:測定:では最後に、その金額規模はどのくらいあるか?