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公開日: 2024.10.31  | 更新日: 2024.11.02

為替感度を実例解説(P/Lの為替リスク)

事業の為替感度はどれくらいか?担当経理に聞くけど、忘れて毎回聞いてしまう…こんなことはないでしょうか?為替の感度は簡単なようでとっつきにくい…。どのように為替感度を算出するか、理解を少しでも深めてもらうべく、記事をまとめました。

といいつつ結論は超簡単です。為替感度とは、外貨の金額そのものです。

1ドルの感度が500億円ならば、ドルの金額を500億ドル稼いでいることで、

1中国元の感度が500億円ならば、中国元の金額を500億中国元稼いでいることです。

実例で理解いただくのが一番なので、以下のケースごとにご確認ください。

ケース1:外貨額の違い

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この通り、100ドルの時は1円の円安で100円の利益アップ。200ドルの時は1円の円安で200円の利益アップ。つまり、外貨の数字がそのまま利益の感度となっています。

ケース2:基準為替の違い

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100円/ドル→101円/ドルの影響と、150円/ドル→151円/ドルの影響では違うのではないか?という質問をいただいたこともあります。これも上記の例の通り、基準の為替に関係なく、1円の円安はどこでも一緒です。つまり、この場合も外貨の数字がそのまま利益の感度となっています。

ケース3:通貨の違い

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通貨が違う場合はどうなるという質問もいただいたことがあります。こちらも上図の通りで、外貨がそのまま感度となります。

いかがでしょうか?これで、常に感度は外貨の額ということが分かったと思います。

ただし、実務上の注意点を2つ挙げたいと思います。

1.正確な外貨の額の定義

日本円の決算情報は簡単に手に入ると思いますが、外貨の情報は簡単に手に入る状況でしょうか?システム設計次第では、日本円でしか記帳されず、外貨の情報が入手しずらい、ということもあるのではないでしょうか?

さらに売上情報は入手しやすくとも、コストの方はいかがでしょうか?原料を海外から仕入れていても、それを外貨で払っているか、日本円で払っているかわかりますか?さらに、日本円で払っていても、価格根拠は外貨で実はステルス値上げのようになっていたりしないでしょうか?

説明では営業利益100ドル、といった風にわかりやすく表現しましたが、実は外貨のコストをしっかり理解するのは難しい情報です。事業部や購買部等と連携し、自社の影響はどれくらいかを考えるようにしましょう。

逆にコストがないという事業は海外売上で稼いでいる金額がそのまま感度になるので、影響の把握はシンプルになります。

コストに一部外貨がある場合は、ここは推計で全体の10%がドルの影響を受けるから、といったフェルミ推定で対応するのも効果的かと考えます。

財務会計や、事実に基づく分析を行う経理屋では欲しい情報が入らない場合がありますが、内部管理用という目的を明らかにすれば相談に乗ってくれるはずです。

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2.複数通貨の考え方

グローバル企業になるほど、外貨の取り扱い数も増えていきます。ドル・ユーロ・元、さらに他の通貨とそれぞれの感度があります。通貨別に丁寧に出すのも大切ですが、そこまで開示されず主要通貨のみの開示だけであることも多いです。

それでも何らかの把握をしたいとなると

例えば、

  • ドルと他外貨の感応度を調べ、ドルが1円円安になれば外貨XもY%円安になる

といった試算をし、それをドルの感度に入れてまとめて報告する方法が1つかと思います。

常に変動する為替に振り回されないように、皆さんのお役に立てれば幸いです。

ご一読ありがとうございました。

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この記事を書いた人
とら

あんも

大企業(製造業)の経理・財務で10年以上。工場・本社・海外と各拠点での業務経験で気づいたこと等をブログにしていきます。
経理・財務に興味がある人や同じ業種で働いている人のキャリアが少しでも豊かになる情報を、ブログを通して提供していきたいと思います。
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