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公開日: 2024.08.31  | 更新日: 2024.08.31

海外旅行時のドル両替について

海外旅行時のドルを調達する際どのような手法が最適でしょうか?どこで両替が良いでしょうか?また現金とカードで払うのはどっちがお得でしょうか?調べればいろんな記事があって、条件分岐も多く、一番お得と思われる方法には事前準備が必要だし、差がどれくらいあるかわからないし、手間の方が大きく感じる…。

ベストじゃなくても、手間が少ない方法でベターな方法って何だろう?と思って調べた結果をまとめます。

米国での利用を想定し、執筆時の1ドルは144.36円で、これを基準に1,000ドル両替する=手数料がない基準金額は144,360円という仮定で記事をまとめます。

  1. 日本の両替商で両替する

  2. 米国の両替商で両替する

  3. 現地でキャッシング

  4. クレジットカードで支払う

1.日本の両替商で両替する(約2~3%)

空港・銀行・金券ショップ等で購入する一番楽で、簡単な方法です。実際の手数料をネットで分かる範囲で調べてみました。

MUFGの販売レートは149.07円。1,000ドルは149,070円で+4,710円(+3.26%)になりました。

大黒屋の販売レートは147.37円。1,000ドルは147,370円で+3,010円(+2.09%)になりました。

結論、約2~3%のコストが発生するといえます。

2.米国の両替商で両替する(非推奨)

これは現地の手数料が高いこと、そもそもドルより円のニーズが低いことからお勧めしません。足りなくなったらの救済措置の1つの認識になるものの、それでも多めにドルを持っていく、という選択の方がおすすめします。

手数料も地域・場所・店の形態で大きく分かれますが、例えばJFK空港での為替レートは1ドル178.50円でした。つまり1,000ドルのために178,500円を支払い+34,140円(+23.65%)になります。

ニューヨークの空港での両替は極端な例かもしれませんが、現地で両替を必要とする緊急や重要な時に、最善の行動がとれるかもわからず、現地でのリスクを低減するにも、多めに持っていく方が断然お得になります。

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3.現地でキャッシング(約3~5%)

とはいっても、現地で急に現金が必要になることもあるかと思います。その時は現地のATMでクレジットカードによるキャッシングがおすすめです。海外キャッシング、海外カードローンになります。正確な金利はカード会社次第なのですが、大きく3つのコストがあります。

①借入額の換算にかかるコスト(約1.5%)

現地でドルを借りるわけですが、返済時は円で支払うわけなので、円への換算が必要です。このレートはクレジットカード会社のレートを利用しますが、ここでカード会社の手数料が加えられることになります。その換算レートは以下のHPで調べることができます。

VISAの換算レート

Mastercardの換算レート

上記HPを元に1,000ドルを借りたとすると、以下の通りになります。

VISA:146,520円で+2,160円(+1.50%)

Mastercard:146,530円+2,170円(+1.50%)

②お金を借りている期間にかかる金利(+1.5%~+3.0%)

カード会社次第ですが、年利18%の金利をとる会社がほとんどです。1,000ドルを借りたとすると、それを1年間借りたままならば180ドルを支払う必要があります。

個別振り込みによる早期返済も可能ですが、放置しておけばクレジットカードの支払日に返済する形になるので、結果1~2カ月ほど借りることになり、15~30ドル支払う計算になります。

金利の換算にも①カード会社の換算レートの影響を受け、結果は2,200円(+1.5%)~4,400円(+3.0%)のコストアップとなります。

③ATMでの利用手数料(約0.2%)

カード次第ですが、1万円以上の利用の場合220円/件の手数料が発生することがほとんどです。

さらに現地ATMの場所次第(クラブとか)では、現地端末の手数料が発生することもありますが、これは場所次第です。

多くの人が利用する普通の街中では、現地で生活する人たちも利用するために問題ないことが多いですが、高級店、外国人観光客の出入りが激しい場所、夜の街等のATMでは注意が必要です。

ともあれ、上記①~③すべてを足すと3~5%ほどのコストが発生することになり、少し割高となりますが、現地の空港で借りるよりは経済的に調達できるでしょう。

上記結論から、現地銀行等で両替するときもその時の為替レートの5%以内のレートかを基準に安い・高いの判断をしてもよいと思います。

また、ATM相手なので、言語に自信がないときは落ち着いて対応できます。だまされる心配も少なく、店が開いてない時間帯に必要なときなどは断然有利なので、自身の所有するクレジットカードの海外キャッシング方法は、調べておくことをお勧めします。

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4.クレジットカードで支払う(約4%:ポイント還元未織込)

現地でどれだけクレジットカードで支払うかで、準備する想定現金にも影響があるかと思いますので、そもそものクレジットカードのコストについてもまとめておきます。

主要なクレジットカード会社では①ドル金額×②カード会社の為替レート×③手数料で手数料が定まります。

③手数料(海外事務手数料等)は概ね2.2%です。そして②為替レートは、VISAとマスターカードのHPから今時点の換算レートを調べられます。

VISAの換算レート

Mastercardの換算レート

そして①ドル金額を1,000ドルとしてまとめると、

VISA:総額は149,743円となり+5,383円(+3.73%)

Mastercard:総額は149,754円となり+5,394円(+3.74%)

のコスト発生となりました。結論、約4%のコストが発生するといえます。

ただし、クレジットカードは利用に応じてマイルやポイント等の還元があります。例えばそれが1%だったならば、4%-1%=実質3%のコストで、現金と同程度、もしくはカードが1番メリットのある支払いとなるかもしれません。

揺れ動く為替レートで一体どれが一番良いのかと悩むかと思いますが、上記%の情報を元に、皆さんそれぞれの状況にあった、ドルの調達をして、楽しい旅行をお過ごしください!

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この記事を書いた人
とら

あんも

大企業(製造業)の経理・財務で10年以上。工場・本社・海外と各拠点での業務経験で気づいたこと等をブログにしていきます。
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