
EDINETの情報自動確認システムを構築してみた
AIにお願いしてEDINETを自動確認して新規の情報を取得できる仕組みを作りました。経理財務の業務において、個人でできるAIの一例として、また自分自身の備忘録用としてまとめます。
1.はじめに(前提や課題の共有)
自社の大量保有報告書が出てないか等、定期的にEDINETを確認する習慣があるのですが、確認せず間隔が空いたときにリリースされていて、報告するにはちょっと時期を外してしまっている…といったことが続いたので、何とかAIで解決できないかなと考えました。
2.社内の制約(コスト)
最初はマイクロソフトのPower Automateを利用して、EDINETのAPIと連携して楽できないかと思ったのですが、ライセンス体系の都合でコストが発生することがわかり、会社を通して楽するのは難しそうでした。それに私自身もプログラミングに精通しているわけでもなく、正しい表現で言語化し、上司・組織を説得できる労力と、それによって得られる効果が釣り合わずお蔵入りにしていました。
3.GoogleのAntigravityとの出会い
ひょんなことからGoogleのAntigravityを知りました。Pythonってプログラミング言語だよね、程度の知識しか知らない私ですが、実際のプログラミングはAIが自動にしてくれるというなら試してみたいと思いました。
4.事前準備(APIキーの取得とセキュリティ確認)
達成したい状態を伝え、AIに自動でプログラミングをしてもらいました。ただ初心者すぎてAIの回答も最初は意味が分かりません。小さなことから1つ1つ確認していきました。
例えば、プログラムが完成しました。実行 してください、と言われても、実行の仕方すらわからないので教えてと聞きました。
教えてもらった通りに対応しても挙動が変です。なぜと聞いたらOSの違いで文法が違うようです。その前提を知ると正しい実行方法を教えてくれました。
実行できてもエラーが出ました。対象箇所を指定し、なぜ?と聞くことで原因と対応方法を教えてくれました。
1つ注意したことは、意図しないマナー違反です。悪いことをしているつもりなく、大量のデータを送ってしまいEDINET側等に迷惑をかけないか、個人情報などが勝手に漏洩しないか、等は都度確認しました。

そうやって何度もAIと会話を重ねることで、少しづつ自分が望む形のプログラムができてきました。
その中でも私が大きく躓いたのは以下の2点です。
・EDINETのAPIキーの取得方法
AIが教えてくれるAPI登録用のURLが正しいかはわからないので、個人でもそのURLが正しいかを確認しましたが、Googleで検索しても出てくるのは仕様書でした。
大量のPDFを読みたいわけじゃない…と無視してサイトを探していましたが、ちゃんと読めばこのPDFに登録用のサイトが掲載されていました。
また、登録していっても途中で真っ白 画面で動かなくなりました。これも悩みましたが、ポップアップ許可をしていないことが原因でした。
すべては仕様書に書かれているのですが、まずはやってみようで進めていたので、最初の大きな躓きでした。
・私自身のプログラムの常識のなさ
AI通りでプログラムができましたが、いろんなファイルが作成されてて意味が分かりません。
.py:プログラムのソースコード本体.env:APIキーなどの機密情報を分けるための設定ファイル.bat:Windowsでプログラムをワンクリックで動かすための起動ファイル
最初は拡張子pyのものが1つできただけでした。ただ、最終的にはメールを送付したかったので、メールという個人情報や、APIキーをプログラムに入れるのは何となく違和感でした。そういう会話をすると拡張子envを作ってくれました。
プログラムとは分け、これは別管理することで情報を別途分けることに成功し、それがよくあるやり方なのだと教えてもらえました。
自動実行したい旨を伝えると拡張子batを作ってくれたり、ログの情報を残したりといろんなアイデアを実現していってくれました。
5.実装(プログラミング)
あとはAntigravityがすべてやってくれました。実行に権限承認(accept)が必要な行為があるので、それは確認しつつ承認し、実施していきました。
ただエラー祭りです。もうこれは1つずつ、AIに聞きながらもぐらたたきしました。
進めるうえで私が個人的に良かったと感じたのは複数のAIを利用したことです。
Gemini:概要の把握、概念の質問、プロンプトの練り直し(思考の整理)
Antigravity:実際のコード生成、エラーのデバッグ(実務の遂行)
これって何?等、細かな確認は通常のAI(GeminiやChatGPT等)で質問しプロンプト精度を高めてから、Antigravity(プログラミングをしてくれるAI)に依頼をしていきました。
最初はGeminiばかり利用しましたが、最後の方になるとAntigravityの方が回答精度が高くなり、漠然とした支援はGeminiを利用しつつ、最後の詰めはプログラム情報を持っているAntigravityに任せた方が早い、といった流れになりました。
プログラムができたら、次はその自動化です。

6.運用(Windowsタスクスケジューラ)
平日の9時から18時まで、1時間ごとに自動で実行する方法を質問すると、Windowsのタスクスケジューラを紹介されました。定めた条件でプログラムを実行してくれるわけで、まさにこれでした。
これも1つずつ自分好みに変更を加え、メール文面に対象のURLを記載してほしい、1度取得したものは報告済みなので通知しないでほしい等様々な調整を加えながら整えました。
1つ気になったのはPCのスリープ状態でも実施されるかですが、それもAIに問い合わせることで解決できました。(それによる電力消費やPCへの負荷等も教えてもらえました)
7.終わりに(感想)
AIはあくまでも副操縦士であり、私自身の手の範囲内をサポートするに留まる認識でしたが、未知の領域のPython等も扱えるようになったので、AIの便利さを強く実感しました。
AIの回答を鵜呑みにしないように根拠の確認等は時間もかかりましたが、それでも新しいことができたことの達成感の方が勝りました。
EDINETの次はTDNETかと思いましたが、こちらは毎月の課金が必要なので諦めました。EDINETは無料なので勉強用としても大変使いやすかったです。良質な情報を無料で使えるなんて本当にありがとうございます。
会社でやろうとすればお金がかかったのに、個人ならAIのおかげで無料で達成できたのも嬉しいです。
EDINETで特定の情報を日々チェックしている人が、世の中に沢山はいないと思いますが、そういう人や、経理財務の分野でAIを活用したい人にとっての1例になれたら幸いです。
ご一読ありがとうございました。
