資本コスト2
公開日: 2025.11.15  | 更新日: 2025.11.15

資本コスト(CAPM)

資本コストを求めるうえでの一番有名なCAPMについて調べました。

CAPM=①リスクフリーレート+②β×③(市場全体の期待収益率-リスクフリーレート)

1.CAPMの説明

数式の意味を①、②、③と分けて解説していきます。

①リスクフリーレート:金利ある世界では、銀行に預けるだけ(無リスク)で利息がもらえます。ただ、お金をもっているだけで増える分は最初から下駄を履かせます。

③市場全体の期待収益率-リスクフリーレート:②βの前にこちらを先に説明します。市場の中には、イケイケの業界もあれば、今は微妙な業界もあります。それをいったん調整します。この結果をマーケットリスクプレミアムとも言います。この求め方も色々とありますが、代表的なのは以下の2つです。

ヒストリカル法:過去の株価リターンから算出する。過去もそうだったから、将来もそうだろう。

インプライド法:現在の株価と将来利益予想が理論的に整合する水準を算出する。

超ざっくりでは、ヒストリカルは過去悪かったら、今後も悪い。インプライドは過去悪いということは将来良くなる素地があるという考え。

②β(ベータ):では③でマーケットリスクプレミアムが算出されたといっても、同じ業界の中でも、イケイケの企業もあれば、辛い企業もあります。それは個社別の感度が違うということでベータと呼ばれる指標を組み合わせます。過去のTOPIXリターンと個社の株価リターンの関係から算出される。

例)日本のリスクフリーレートが1%、期待収益率が8%のある製造業があったとします。ある企業は業界平均並みの成長をしていたとするならば、その企業のCAPM=1%+1×(8%-1%)=8%と表現されます。業界平均よりちょっと良い、ならばベータが1.1等増えていくわけです。

資本コスト5

2.CAPMの弱点(課題)

ただし、CAPMには課題(弱点)があります。

・ベータは算出する期間次第。

ネットや証券サイトで検索しても定まった数字があるわけではありません。数式を見るとベータ=共分散÷分散と難しい数式がありますが、数式が難しいことが課題なわけではなく、その算出をする際のデータをどの期間で算出するか次第になります。

感覚で伝えるならば、コロナや大震災等の前後で大きく市場は変化しましたが、その前後のどこで区切るかで数字は全く変わってしまいますよね、じゃあどの期間が最適ですか?という話ですが、60カ月などが利用されるようです。

・そもそも過去データに基づく性質である。

あくまでも過去に基づくだけです。もし、ある会社が業界を激変させる画期的な発表をしても、会社の不正が発覚しても倒産しそうになってもベータに織り込まれないわけです。他にも新興企業等過去データの蓄積がない企業にも当てはめづらいです。

・企業によっては資本コストも有利子負債コストと株主資本コストのばらつきがある。

完全無借金の企業もなかなか無いです。投下資本(株主資本+有利子負債)の割合次第で影響力も変わっていくわけです。これに関してはアンレバードベータという概念で、有利子負債がなかりせばのベータを出す方法があります。

・企業の多角化

電気製品を売っていると思えば、ゲームや音楽等のビジネスも初めて、気が付けば金融や保険なども扱う、といった企業はどの業界のCAPMで算出するのが良いのでしょうか?またそういった企業からすると性質の異なる事業別の資本コストが知りたくなるかと思います。そういったときは類似する業種の資本情報を元に推計するしかありません。

3.CAPMの普及

様々な課題があるにも拘わらずCAPMが有名なのは、シンプルで簡単に算出できるが一番だと感じます。

これをマルチファクターに分けて、対象企業が大型株か小型株か、バリュー株かグロース株かを分けて追加していくとその分精度は高まるものの、どんどん複雑になっていきます。

そこでCAPMくらいがちょうどよい、という形でしょうか。

ご一読ありがとうございました。

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あんも

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