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公開日: 2026.05.10  | 更新日: 2026.05.10

入門社債のすべて(読書感想)

土屋剛俊さんの入門社債のすべてを読んで、JTCの経理財務の立場としてのためになったこと・感想等を自分の備忘録としてまとめます。


企業の資金調達の一つである社債について詳しく解説

企業は、社債によい調達コストを下げられないか考えるだけでなく、将来の業績変動や市場急変に備え、社債(直接金融)と銀行借入(間接金融)のバランスを管理しながら、機動的に動ける財務戦略を構築する必要があります。

その理解に必要な金利と価格の逆相関の話や、イールドカーブの説明、デュレーションの説明など丁寧にまとめられており、投資家目線の社債情報を知れる貴重な内容でした。

日本証券業協会の資料でも日本は90兆円の社債市場に対し、米国は12兆ドル(1,700兆円)の規模で桁が違うどころか規模が違いすぎる市場です。

そういった背景もあり、日本の社債市場の投資家は押しなべて同じような行動をとることが多いようです。

構造的に問題があるという話が面白かったので紹介します。

  • 投資に勝ち負けはあり、リスクをとる以上常に勝ち続けることは無理

  • 投資家も職業であり、失敗(社債の発行体が倒産して損失発生等)は人事評価にも影響するので、大きくリスクをとるインセンティブはない

  • 結果、ローリスク(高格付の発行体)に資金が集中する環境

  • けれど、職業である以上、管理ルールがあり、ネガティブニュースに対するリピュテーションリスク(不祥事を起こした発行体に資金を提供していることに対する非難等)もあり、ロスカットを余儀なくされる環境も多い(実質、ミドルリスク・ローリターン?)

なんだか不思議な世界ですね。


発行体側ではない視点の社債情報が詰まっていて為になる本でした。

日本は銀行依存度の高さ(銀行借り入れ優先)も特徴なので、結果、社債市場も進化し辛いのでしょうか。

昨今の金利ある世界になり、調達市場の変化をウォッチしていきたいと思います。

入門 社債のすべて―――発行プロセスから分析・投資手法と倒産時の対応まで

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あんも

あんも

大企業(製造業)の経理・財務で10年以上。工場・本社・海外と各拠点での業務経験で気づいたこと等をブログにしていきます。
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旅行。投資。
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  • 証券アナリスト
  • TOEIC 800点台
  • 簿記2級
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