財形制度はオワコンか?実は優良投資先の裏側を解説!
貯蓄から投資へと、国として投資を推奨する今、NISAやiDeCo等の言葉はあふれていますが、財形という言葉は聞いたことはありますか?厚生労働省が設計した勤労者財産形成制度を活用した制度で、企業が支援しつつ、従業員の資産形成を支援する仕組みになります。
会社制度のため個人の力では契約ができるものではないのですが、もしかしたらひっそりと御社の制度にもないでしょうか?会社の先輩からやめた方が良いといわれてやってない。投資の方が儲かるので興味すら持たない人が多いかもしれません。
実はJTCといったいわゆる日本企業の場合はこの制度が実質、投資の意味を持ったりすることもあるので、このあたりの仕組みについて解説します。
この記事のおすすめ読者
JTCの会社に勤めており財形制度が存在する人
株以外の投資先を調べている人
あまりリスクは取りたくない人
まず、財形貯蓄は以下の3種類に設計されております。
一般財形(勤労者財産形成貯蓄・一般財形貯蓄)
年金財形(勤労者財産形成年金貯金・財形年金貯金)
住宅財形(勤労者財産形成住宅貯蓄・財形住宅貯蓄)
一般財形は幅広い用途を対象にした制度で、他と比べ自由度は一番高いです。ただ、使い勝手が良い分、金利面では一番劣後することが多いです。これと比較すると、ネット銀行に預けておく方がもっと便利で金利も高いよ、ということが多いでしょう。
年金財形は老後の資産形成を目的とした制度になります。60歳以降の年金として受け取ることができるなど現金流動化に大きなデメリットがあり、その分金利は高くなります。
住宅財形はマイホームの取得やリフォーム資金用途を目的にした制度です。用途が制限されている分、金利が高まる半面、今時点で家買うかなんてわからないよ、という人がほとんどでしょう。
年金財形と住宅財形は一定の金額(550万円)までは利子が非課税となります。この低金利時代の利子でさらにその税金(約20%)が免除になったところで…という気持ちがあると思います。
例えば1%金利で試算すると550万円の1%で5.5万円の利子。この利子に対する税金が約1万円。1万円お得ということになります。
また資料には載っていないコストとして振込手数料も要注意です。上記財形の取り扱いの金融機関次第では、引き出しの時に振込手数料が数百円程発生することになります。
1%といった金利だったら問題ありませんが、金利次第では数年運用したくらいでは解約時には今までためてきた金額より少ない金額になるという、とてもバカらしい結果になります。
例えば毎月1万円で年12万円、0.1%金利ならば120円の金利。早期解約で非課税の免除がなくなれば25円ほどの税金がとられ、残り95円。振込手数料のが高くなります…。
が、しかし、それらのネガティブな情報を上回るリターンが返ってくるパターンがあります。それがJTC特有の福利厚生です。
まずJTCほど財形の金利設定が高くなっている場合があります。特に住宅財形に対する金利が高い可能性が高いです。金融機関側も住宅購入者が増えるほど、住宅ローンの提携者が増えるのでありがたいのかもしれません
金利次第では株の運用利回りを優に上回る結果となり、その会社に勤めている限りはほぼノ ーリスクで運用できるのでとてもありがたい仕組みになります。
高金利は福利効果を従業員に実感させるので、こういったところで長期雇用の理由もあるかもしれません。
自社の費用を使わないで従業員のエンゲージメントを高めるとてもお得な制度なので、金融機関と強いパイプがある会社や新興企業で立ち上がり後の従業員定着の1つの手段としても一考の余地はあるかもしれません。
金利以外にも会社の奨励金があるところもあります。財形を実施したら金一封が送られたり、貯蓄額に応じた追加補助があったり等です。金利による複利効果はなく、単利の効果しかありませんが、割り切って制度を使い倒してやる、という考えで1つの投資先にするのも悪くないかと思います。
以上、ご一読ありがとうございました。