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公開日: 2022.07.02  | 更新日: 2024.06.16

家族手当の実態調査。世間と比べて自分はどれくらい?

家族手当とは法律で定められない会社独自の福利厚生であり、従業員に家族が増えたときに支給する手当で、主に配偶者や子供に対して支払われることが多いです。配偶者のみの場合は、配偶者手当と表現されることもあります。

家族手当は給与と同じ扱いで所得税の対象となる福利厚生になるのですが、同じ仕事なのになんで給料が違うのか、という不公正さを感じさせる仕組みかもしれません。

また他社の詳しい給与水準がわからないのと一緒で、家族手当も他社と比べてどういう水準なのか簡単にはわかりません。年収ってどれくらい?とか、家族手当ある?とかは話すことはあっても、支給金額や支給条件を事細かく聞くことはあまりないかと思います。

ということで自分がもらっている家族手当が世間一般では良い方なのか・悪い方なのか調べてみました。根拠としては人事院がまとめている民間給与と、家族手当の情報を参考にしています。

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まずは絶対額ということで金額情報をまとめてみました。配偶者がいたら1万3千円ほどが支給され、子供1人に付き6千円ほど増えるという傾向が続いているみたいです。ただし支給金額はなだらかな減少傾向なのがちょっと気になりますね…。

次に割合が示す数字をまとめてみました。

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まず、家族手当そのものもわずかに減少傾向であることがわかります。しかし手当支給として、配偶者向けの支給が大きく減少していることから、逆に配偶者以外の家族(おそらく子供)への支給割合が大きく増えていることがわかります。

政策的に子供を支援するようになったということでしょうか?それとも配偶者向けの支援を減らしただけでしょうか。他にも配偶者も仕事をすることになり、家族手当の支給要件を満たさなくなった、ということかもしれません。

またこれら割合の情報から、全体イメージがわかるようにデータをまとめてみました。

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これで見ると直近では、100人のうち26人近くは家族手当そのものがありません。残りの74人は何らかの家族手当があることになります。うち、配偶者以外(おそらく子供)への支給は19人ほどで、残り55人は配偶者の存在で支給されていますが、そのほとんどである48人が配偶者の所得に支給制限が課せられています

支給制限の条件も詳しく載っていたのでまとめてみました。

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この支給制限は、103万円・130万円・150万円ごとの情報がありますが、これは国の税金に関する条件の1つです。103万円を超えると本人の所得税が、130万円を超えると本人の社会保険料が発生し、150万円を超えると配偶者の配偶者控除がなくなるポイントのため、調査の対象となっていると思われます。

昔は103万円を超えると配偶者控除がなくなるため、それ以上は働かない方がお得ということで103万円の壁などと表現されていたのですが、2018年に制度が変わり配偶者控除は150万円まで引き上げられました

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それ自体は喜ばしいことなのですがじゃあ150万円まで働けるというかとそういうわけではなく、上述の通り130万円を超えると社会保険料の支払いが発生してしまうため、今は130万円以上稼ぐと家計全体で損をする構造になっています。つまり130万円の壁ですね

もちろん社会保険料の支払いによる損は一時的なもので、将来受け取ることができる厚生年金額は増えることになるので年金を何年受給できるか(寿命)次第で元を取ることはできるのですが…まぁ単年度の所得マイナスは損した気分になりますよね。

単年度における家計全体での損益分岐点は約160万円のようです。(社会保険料の支払いで減った分を補う手取りになるタイミング。実際は職業や配偶者の状態等で異なるので、一例としてご認識ください。)

ただ家族手当支給条件に配偶者の所得条件がある人は家族手当支給対象外による所得減には気を付けた方が良いです。年間15万円ほどもらっていた手当がなくなるなら…損益分岐点はもっと後ろになってしまいます。

実は「より良く家族を養うために」と支給した家族手当が「働いたら損をする」仕組みを支えているかもしれません。もし企業が社員やその配偶者が社会全体で活躍してほしいと考えるならば、家族手当の見直しすることが近道かもしれませんね。

ご一読、ありがとうございました!

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この記事を書いた人
とら

あんも

大企業(製造業)の経理・財務で10年以上。工場・本社・海外と各拠点での業務経験で気づいたこと等をブログにしていきます。
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