
TONAとOISについて
金融記事等で出てくるTONAとOISについて調べてみました。
TONAについて
TONA:Tokyo Over Night Average rate:無担保コールオーバーナイト物金利とのことです。なんのこっちゃですが、超短期(1日)の変動金利と解釈しました。
オーバーナイトとある通り、1日だけ借りる用の金利、翌日に返済する取引の金利です。実際に市場で資金調達する場における実態金利になります。
借入人:100億円貸して、明日返しますので。
貸付人:じゃあX%で貸しますよ。
このX%がその日の取引相当分存在しているわけですが、それを加重平均して算出された値がTONAと定義されているようです。
その元情報は日本銀行が公表している「コール市場関連統計」に基づいています。
この性質(担保なしで今日借りて明日返すという実取引。しかも複数件数の加重平均。)から、限りなくリスクが少ないと言えるため、リスク・フリー・レート(RFR)として位置づけられるようです。
だけれども、あくまでも1日だけの超短期間の金利です。企業で考えるなら、半年・1年ともっと長期間の資金調達を考えますが、1年365日を、すべてTONAで算出するなんて実務上無理です。そこで、金利スワップという概念が活用されます。

OISについて
TONAをベースに福利計算してみたのがOISと呼ばれる金利(金融商品)のようです。変動金利のTONAを基準に金利スワップし、固定金利化しました。
OIS:Overnight Index Swap:翌日物金利スワップ
オーバーナイト(翌日物)であるTONAを基準にスワップしているということですね。
TONA(変動金利)→OIS(固定金利)
この金利スワップのおかげで、TONAをベースに、1週間・1カ月・3カ月・6カ月・1年といった将来の金利変動の見通しを織り込んで反映したOISが出来上がるというわけです。
TONAは日本銀行が算出したり、TIBORは全銀協が公表したりしていますが、このOISはあくまでも金利スワップした金融商品です。保険や投資信託等様々な金融商品がお店で異なるように、OISも算出金融機関によって異なります。
ただし、実態と違うようなあこぎな商売はできないように、ブルームバーグやリフィニティブといった情報提供会社がベンチマーク情報を提供しています。(が、その情報取得にはお金がかかります)
実務面でTONAを利用することは少ないと思うのですが、その特徴から金融商品(指標)の根拠となっており、理解しておくとよさそうです。
ご一読、ありがとうございました。
