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公開日: 2025.09.15  | 更新日: 2025.09.15

TONAとOISについて

金融記事等で出てくるTONAとOISについて調べてみました。

TONAについて

TONA:Tokyo Over Night Average rate:無担保コールオーバーナイト物金利とのことです。なんのこっちゃですが、超短期(1日)の変動金利と解釈しました。

オーバーナイトとある通り、1日だけ借りる用の金利、翌日に返済する取引の金利です。実際に市場で資金調達する場における実態金利になります。

借入人:100億円貸して、明日返しますので。

貸付人:じゃあX%で貸しますよ。

このX%がその日の取引相当分存在しているわけですが、それを加重平均して算出された値がTONAと定義されているようです。

その元情報は日本銀行が公表している「コール市場関連統計」に基づいています。

この性質(担保なしで今日借りて明日返すという実取引。しかも複数件数の加重平均。)から、限りなくリスクが少ないと言えるため、リスク・フリー・レート(RFR)として位置づけられるようです。

だけれども、あくまでも1日だけの超短期間の金利です。企業で考えるなら、半年・1年ともっと長期間の資金調達を考えますが、1年365日を、すべてTONAで算出するなんて実務上無理です。そこで、金利スワップという概念が活用されます。

tona2

OISについて

TONAをベースに福利計算してみたのがOISと呼ばれる金利(金融商品)のようです。変動金利のTONAを基準に金利スワップし、固定金利化しました。

OIS:Overnight Index Swap:翌日物金利スワップ

オーバーナイト(翌日物)であるTONAを基準にスワップしているということですね。

TONA(変動金利)→OIS(固定金利)

この金利スワップのおかげで、TONAをベースに、1週間・1カ月・3カ月・6カ月・1年といった将来の金利変動の見通しを織り込んで反映したOISが出来上がるというわけです。

TONAは日本銀行が算出したり、TIBORは全銀協が公表したりしていますが、このOISはあくまでも金利スワップした金融商品です。保険や投資信託等様々な金融商品がお店で異なるように、OISも算出金融機関によって異なります。

ただし、実態と違うようなあこぎな商売はできないように、ブルームバーグやリフィニティブといった情報提供会社がベンチマーク情報を提供しています。(が、その情報取得にはお金がかかります)

実務面でTONAを利用することは少ないと思うのですが、その特徴から金融商品(指標)の根拠となっており、理解しておくとよさそうです。

ご一読、ありがとうございました。

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この記事を書いた人
あんも

あんも

大企業(製造業)の経理・財務で10年以上。工場・本社・海外と各拠点での業務経験で気づいたこと等をブログにしていきます。
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